公認会計士・税理士 根本 守 のブログ

私は、所属する協働公認会計士共同事務所において、日本の数多くの「非営利・協同」組織の経営や会計に関する支援業務を行ってきました。「非営利・協同」組織を今後も応援しさらに大きく広がってほしいと願う立場で、このブログにおいて「非営利・協同」の様々なことを述べたいと思います。なお、過去に事務所のホームページ等に掲載した文章も、現在でも有効と思われるものは(例えその後に法令等が改定されているものであっても)そのまま転載しています。(2019年8月)

非営利・協同 一般

非営利・協同についての全般的な紹介、意見等

非営利・協同組織の経営管理 -その1-

私が所属する協働公認会計士共同事務所は、非営利・協同組織の事業体への関与が主たる業務であるが、そこでは単に決算書作成や会計、税務の支援にとどまらず、経営や財政全般に対する支援、助言を行うことを重要な役割としてきた。我々がそうした業務を行っ…

非営利・協同組織の経営管理 -その2-

「その1」に引き続き、非営利・協同組織の経営管理の特徴点について述べる。 3,非営利・協同組織での経営管理の優位性、特徴点、課題 営利、非営利を問わず、事業組織における経営管理は通常以下のような形で遂行される。 ・ 定款及びそれに基づく管理、…

非営利・協同論の系譜

非営利・協同論は日本においては旧ソ連崩壊後の1990年代からスタートした議論であり、まだ明確な定義等は定まっていないように思われる。そもそも非営利・協同組織が現代社会の中で営利市場経済に対抗し、実践を積み重ねていく中で、徐々にその理論も深まっていく…

現代社会での非営利・協同事業組織の存在意義

現代社会の基本構造は、特に先進資本主義国において、多額の資産を有する少数の富裕層と経済的困難を抱え厳しい生活を強いられる圧倒的多数の一般庶民とに大きく分裂していることが特徴である。特に21世紀に入って、新自由主義、市場原理主義的経済政策が導…

非営利・協同組織において労働者は搾取されているのか

はじめに 春闘の季節になった。政府の新自由主義的経済政策のもとで所得格差の広がりは顕著であり、非正規雇用や生活保護の増加といった形での貧困化が急速に進んでいる。それに抗して労働者は大幅な賃金アップをかちとっていくことが求められている。そしてこ…

プロスポーツと非営利・協同-その3-

プロスポーツを巡って、非営利・協同の立場から、その理念、目的(その1)や組織形態(その2)について考えてきたが、最後に、プロスポーツと経営、利益について考えてみたいと思う。 ご承知の通り、この間の近鉄バッファローズとオリックスブルーウエーブとの合併、球団消滅を巡るご…

プロスポーツと非営利・協同-その2-

その1では、プロスポーツを巡って、非営利・協同の立場からその理念、目的について考えてみた。今回は、その組織の形について考えてみたいと思う。 「形なんてどうだっていい。要は中味だ。」などという至極まっとうな意見もあり、それは一面その通りだと思うが…

プロスポーツと非営利・協同-その1-

読者のみなさんの中にもプロ野球ファンの方がたくさんおられると思う。私が担当している法人の方の中にも阪神タイガースの熱狂的ファンがおられる。甲子園球場の年間チケットを購入して、京都から甲子園まで熱心に通っている話をうかがい、「優勝したら道頓堀にと…